グリーンシャトルとは?


グリーンシャトル=都市新バス
東京を始めとする各都市は、自動車の増加によって慢性的に道路混雑が起こるようになるとバスが時間通りにやってこなくなり、交通機関としての利便性や信頼性の低下を招いています。結果的にそれはバス需要の低下にも繋がることから、当時の運輸省はこの状況を改善するため各事業者に助成金を出してバス利用の促進を図ることを目的とした新しい形の路面輸送システム「都市新バス」を整備することとなりました。

東京都が都市新バスシステムを導入した最初の路線がこの「グリーンシャトル」です。バスサービスの充実を図り、バス本来としての機能を回復させる目的で昭和59年、東京都交通局での運行を開始しました。

都01系統 グリーンシャトル路線図


グリーンシャトルの誕生と仲間たち
元々は都電6番系統がバス化された橋89系統という路線で、昭和59年3月31日に都市新バス「都01系統」としてデビューしました。
当初は正面に「都市新バス」というプレートが掲げられているだけでしたが、同6月より親しみを持ってもらうため「グリーンシャトル」という路線愛称が付けられました。
現在では管轄が渋谷営業所、新宿支所となり、2所による共同運行が行われています。

グリーンシャトル誕生後、交通局は平成5年度までに同様のシステムを導入した路線を8路線誕生させています。これらは「グリーンラインシリーズ」と呼ばれており、各路線には全て「グリーン○○」という路線愛称が付けられています。


 
後に誕生した都市新バス、都02系統〜都08系統

都市新バスシステム?

1.専用車両の導入
都市新バス専用の車両を新造し、ハイバックシート、ワイド窓、入口のグライドスライドドア(交通局では「フォールディングドア」と呼んでいる)、出口の四枚折戸、次停留所表示機、エアサスペンションなどが装備され快適な車内環境を実現しています(当時)。後述のバスロケーションシステムと共に現在ほとんどの路線バスで見かける装備や設備が多いですが、この都市新バス仕様車が先駆けて標準装備を始めたもので、現在のバスの水準を高めた火付け役とも言うことができると思います。
座り心地の良いハイバックシート。
見通しがよく、視界の広がるワイド窓。
扉が開く時の威圧感を減らすため、前扉は両側に開くグライドスライドドアを採用。
四枚折戸は降車時の時間短縮に。
車内案内を行う次停留所表示機。
専用車に取り付けられる愛称板とヘッドマーク。

2.停留所の改善
上屋(日除け)の増設やバスの接近をサインと音声で案内するバス停の設置を行いました。また1日の運行回数も平日200回前後、最短2分ヘッドと、ほとんど待たずに乗ることができます。

画像クリックで実際の接近案内が再生されます。(MP3形式・32KB)

上屋は殆どの停留所に設置されました。(渋谷駅前)
バスの接近をサインで表示します。
バスが1つ前の停留所を出ると接近案内が鳴ります。

3.バス優先化の拡充
都01系統の運行距離は片道5.51km、往復11.2kmです。そのうちバス専用レーンは往復9.15km(朝のみ)、優先レーンは複1.4km(夕のみ)、合計10.55kmと路線のほとんどにバスレーンが設けられています。
路線の殆どにバスレーンが整備されましたが、道路混雑や迷惑駐車によって本来の機能を発揮できない事も多いようです。

4.運行管理システム(バスロケーションシステム)の設置
各車両に搭載された車載送受信機は停留所に設置されている路上送信機からの信号により、IDカードの情報や行先、車両の現在位置や路線状況などを送受信し、車両に情報を伝達すると共に営業所で運行の自動管理が行われ、各停留所に車両の接近案内、主停留所までの所要時間や前車の通過時間などの情報を表示します。
車両に搭載されている送受信機アンテナ停留所に設置されている送受信アンテナバスからの情報は営業所を経由して、各停留所に送信されます。(左:所要時間表示、右:前車発車時間表示)

設備への当初の投資額
総投資額:8億3317万8千円(うち国庫補助金:1億657万4千円
内訳
車両:7億3447万2千円
運行管理装置:5040万5千円
上屋ほか:4830万1千円
参考文献:都市新バス グリーンラインシリーズ1995年版(東京都交通局冊子)
助成金が出されたのは当初の都01系統のみで、都02系統以降の路線への投資及び現在の運行維持は全額東京都が行っています。

都01と愉快な仲間たち(関連路線)

都01折返

平成15年春より運行を開始した六本木ヒルズへ分岐する折返し系統。西麻布より「六本木ヒルズ」「六本木けやき坂」の2停留所を経由し、六本木六丁目へ至るものです。

RH01系統(直行)

平成15年秋より設定された都01折返の直行版。渋谷駅を出ると停留所は六本木ヒルズ、六本木けやき坂の2つのみで、六本木ヒルズのキャラクターがラッピングされた専用車により運行されています(当時)。

深夜バス「ミッドナイト25」

平日、最終バスが出た後に運行される深夜バスで、昭和63年より運行しています。現在では都01系統と同じ路線を運行する深夜01系統のほかに7路線が運行されています。


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