オートマチック車の話題

グリーンシャトル仕様車には機械式オートマチック車と呼ばれる車両が2台だけ在籍していました。X代車のうちX335とX336の2台で、これは渋谷営業所内でもこの2台のみとなっています。

東京都ではX代車導入時に、殆どの営業所へ試験的にこの車両を2台づつ配属させましたが、結局このX代2台に留まり後の増備は行われませんでした(低公害システムと併用することとしているいすゞ車の一部は除く)。
今回はこの2台について紹介します。(平成13年度をもってX335が、平成14年度をもってX336が除籍されているため、現在は運行されていません。)

2台のみが在籍している機械式オートマチック車。X335(左)とX336(右)
●機械式オートマチック車とは…
●マニュアル的オートマ車?
正式には「電子制御機械式トランスミッション」と呼ぶそうで、通常のトランスミッションを使用した自動クラッチつき車と思えば分かりやすいと思います。加減速時には車が自動的にクラッチ操作を行ってくれ、シフトアップも自動的に行ってくれるというものです。
下の画像はX335のシフトレバーですが、通常の「D(ドライブモード)」を使用するだけでなく、道路状況により現在のシフト位置を保ちたい場合や、強制的にシフトアップ・ダウンを行いたい場合に操作できるよう通常のポジションも設定されています。つまり、クラッチなしでマニュアル運転を行うことも可能になっています。

車両の運転には少しコツがいるようで、アクセル操作の仕方によっては引き出し時や再加速時などに大きなショックが発生する場合があります。
また、メーカーによって操作性や加速時の乗り心地にかなりの差や影響がある車両も存在し、加えて2台という導入台数の低さもあって「機械式AT=使い勝手が悪い」という結論に達したのか、結局東京都ではその後の投入は行われませんでした。
中には京王電鉄(京王)バスや横浜市交通局、関東バスなどこの方式を集中的に導入した事業者も存在します。
X335のシフトレバー周り。シフトレバーには本来5速となる部分が「D」(ドライブ)になっています。レバー右のボタンは坂道発進補助スイッチです。坂道発進補助スイッチ投入状態。スイッチを押すことで踏んでいる時と同じブレーキが掛かった状態となり、アクセルを踏み込むことで自動的に解除されます。

MMAT車引出し時の音(WMA形式:63KB)

三菱の機械式AT車では、引出し時やシフトアップ直後などにリア部より特徴的な音が発生じます。
おそらくクラッチ関係の作動音ではないかと思われますが、この作動音の有無でAT・MT車を車外から判別することができます。なお、上のファイルはX336の発車時を収録したものです。

京王電鉄(京王)バスではこの方式が昭和63年度より標準仕様で導入され、多数その姿を見ることが出来ます。導入台数が多かったことが幸いしてか、機械式ATの操作に慣れているといった印象を受けます。
メーカー別機械式オートマチック車名称一覧
三菱:MMAT(エムマット)
日野:EE−DRIVE(イーイードライブ)
日産:E−MATIC(イーマチック)
いすゞ:NAVi5(ナビファイブ)
●メーカーによっては発進時のみクラッチを使用する「セミオートマ」と呼ばれるものも存在します。


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