12 行先表示


正面および各車側面に設置されている行先表示器は時期により以下の3種類に分類できる


(1)字幕式
新製時からLED式であるのは6次車のみで、1〜5次車は当初字幕式であった。
(8003−2002.01)

表示順序

字幕時代の最終表示順序。

行先および運行表示は、運転台背面にある行先設定器の円形ダイアルによって乗務員が設定し、各車の表示器に出力されていた。
この設定器は第10車両にしかなく、第1車両からの設定はできなかった。

 

 

駅名表示は基本的に丸ゴシック体で書かれていたが、「水天宮前」の各コマのみ後から追加した為か角ゴシック体になっていた。

また、同じ理由か前面幕は水天宮前のみ英字表記が付けられていた。
ただし、水天宮前延伸時に増備された第10編成に限ってはすべてのコマに英字表記が付けられていた。

01
試運転
02
回  送
03
04
中央林間
05
つきみ野
06
長津田
07
鷺  沼
08
梶が谷
09
二子玉川園
10
渋  谷
11
青山一丁目
12
永田町
13
半蔵門
14
九段下
15
神保町
16
三越前
17
水天宮前
18
19
急行中央林間
20
急行 長津田
21
急行 鷺  沼
22
急行 半蔵門
23
急行 三越前
24
急行水天宮前
25
26
快速中央林間
27
快速 長津田
28
快速 鷺  沼
29
快速 半蔵門
30
快速 三越前
31
快速水天宮前
32

 

第10編成(下)のみ前面幕の全コマに英字表記がある。
通常は水天宮前以外は日本語のみ(上)

第10編成は表示部分の黒塗装も他編成とは僅かに異なり、光沢のない黒塗装となっている(他編成は光沢がある)

(上:他編成/下:第10編成)

側面幕。

「水天宮前」幕とそれ以外で字体が異なっており、急行幕および各停幕でも同様の形態となっている。

なお、水天宮前幕のほか回送・試運転幕が同様にゴシック体での表記となっている。


【次車による差】

表示器の進段方式は次車によって違いがあり、1次車は字幕に開いた検知穴を用いたマイクロスイッチ方式、2次車〜5次車は字幕に印刷されたバーコードを表示器側で読み取る光電検知方式になっている。

なお、6次車は落成時からLED表示器を装備しているが、東武乗り入れ改造が行われるまでの第01〜07編成は字幕車とLED車が編成内に混在していた。



(2)LED式(3色)
東武鉄道乗り入れ改造により平成13年頃から順次3色表示によるLED式に変更された。
(8014−2008.09)

表示順序
00
01
試運転
02
回  送
03
普 通
04
急 行
05
快 速
06
臨 時
07
通勤準急
08
区間準急
09
準 急

LED化に伴い行先設定器が更新され、どちらの先頭車からでも設定が可能となった。
同時に東武線内の種別を含む普通・快速・急行・区間準急*・通勤準急*の種別設定も可能となった。

*後のダイヤ改正で「準急」に統一、現在は設定不可となっている。

 更新された行先設定器

中央
林間
長津田
鷺沼
半蔵門
水天
宮前
清澄
白河
押上

北越谷
東武
動物公園
南栗橋
入庫

表示の設定は、設定器に設けられた駅名釦で行っているようであるが、使用頻度の高い駅名のみ釦に設定されている。

また、2006年には東武線内での乗り入れ区間延長に合わせ、東武区間の行先設定釦がそれぞれ「東武動物公園」「南栗橋」「久喜」に変更された。

 

3色LED化された正面・側面行先表示

(上:8010−2002.09 / 下:8016−2002.11)


・表示パターンの変化

東武鉄道乗り入れ改造後、編成によっては区間準急を赤表示としたパターンや、通勤準急を英字表記との交互表示としたパターンなど、直通前の段階で表示の試験を行っている編成が存在していた。

その後、直通開始時には区間準急は緑表示、通勤準急は赤抜きの表示となった。


令和3年現在では区間準急、通勤準急はなく、新たに準急が設定されるようになっている。


(3)LED式(フルカラー)

2016(平成28)年頃より、一部編成がフルカラーLEDを使用した表示器に変更された。順次他の編成へ波及し、全編成ではないが令和3年現在大半の編成がフルカラーLEDとなっている。
(8013−2021.04)



行先設定器は3色LED化時のものがそのまま使用されている。
B修車は白色になっている(8112−2016.03)

当初は各停列車は3色LEDのレイアウトに準じた内容で、種別表示はなく行先のみ表示していた。

(8112−2016.03)

その後2018(平成30)年頃より各停列車にも種別表示が行われるようになり、フルカラー、3色LED共に「各停」が追加されている。

(上:8009−2021.03 / 下:8107−2021.02)

同側面表示

(上:8014−2021.03 / 下:車号不明−2021.02)



運行番号表示

運行番号表示も従来は字幕式であったが、東武鉄道乗り入れ改造により行先表示と共にLED化された。

どの会社の運用かを表した末尾のアルファベットは、水天宮前時代まで営団運用が「S]東急運用が「T」を表示していたが、東武乗り入れによって運行番号が整備されるのにあわせ、営団運用が「S」、東急運用が「K」、東武運用が「T」と日比谷線と同様の表記に改められ、現在もその方式に則っている。

 

(8002 - 2001.07)

東武鉄道乗り入れ改造後は、「S」「T」に加え「K」が表示できるようになり、従来「T」であった東急運用は「K」が割り当てられている。

 

(8004−2008.09)

同様に、従来東急運用に割り当てられていた「T」は東武運用に割り当てられるようになった。

 

(8018−2008.09)


3色LEDとフルカラーLEDでは運行番号の書体が異なっている。

(上:8106−2003.01 / 下:8104−2021.02