37 運転台


【東武鉄道乗り入れ改造前】

半蔵門線新CS-ATC化前の運転台

左側に電圧計や誘導無線操作器、非常通報受信器が、右側に東急列車無線送受話器などの関連制御器がレイアウトされており、仕業表差しは時計置きを兼ねた電照式のものがマスコン横に設けられている。

マスコンは営団初のワンハンドル式であり、 これは乗り入れ先である東急の仕様に合わせたものと思われるが、デッドマンの検知はバネで上昇する二重構造のハンドルを握ることで作用するタイプとなっているのが特徴である。

ハンドル上部には営団の紋章である「Sマーク」がデザインされている。

(8112−2002.11)

マスコンの紋章

計器盤の表示配列は右のようになっている。

非常通報は通報表示のみ表示を行い、通報車両の表示は非常扉側に設けられている大型の表示灯に表示されるようになっている。

過電流
【速度計】
非常運転
普通
過電圧
CS-ATC
急行
不緩解
構 内
快速
不 足
非 設

非常通報




【東武鉄道乗り入れ改造後】

東武列車無線の搭載に伴い、東急、東武、営団の無線がまとめられ、関連制御器と一体となったものに取り替えられた。

仕業差しは枠状のものを天井から照明する方式に変更され、一体となっていた時計置きはマスコン上に移設されている。

(81??−2003.01)

計器盤表示はCS-ATCの更新、および東武ATS搭載による表示内容の追加、および新種別(区間準急・通勤準急)の追加に対応するものになっており、「営団」「東急」などの路線表示が設けられた事も従来と異なっている点である。

なお、東京メトロ化後は「営団」→「地下鉄」に、東急線内での準急運転開始後には「区間準急」→「準急」、「通勤準急」→空白にそれぞれ表示内容が変更されているため、現在では表示内容が変化している。

また、マスコンの「Sマーク」も民営化に併せてシールのようなものでカバーされ、パープル一色となっている。

過電流
【速度計】
非常運転
普通
過電圧
A T C
急行
不緩解
構 内
快速
不 足
入 換
区間準急
非常通報
非 設
通勤準急
 
A T S

C/S速照部
営 団


東 急

ATC受信部

東 武


【B修車】

従来と異なりアイボリーをベースに08系とイメージを合わせたものになっている。

レイアウトそのものに大きな変更はないように見えるが、非常通報が全車対話式となり、関連した送受話器が新たに設置されている。

(8009−2008.10)

VVVF化などに伴う新設機器関連の表示が増えている。

非常扉側に設けられていた大型表示灯も小型化され、併せて表示内容が整理されているようである。

ATC常用
【速度計】
非常運転
各停
ATC非常
A T C
急行
起動試験
構 内

制御群開放
入 換
準急
対雪ブレーキ
非 設

B遠隔開放
A T S

C/S速照部
地下鉄


東 急

ATC受信部

東 武

*東京メトロ移行に伴い、「営団」→「地下鉄」に、種別変更に伴い「区間準急」→準急、「通勤準急」→空白に変更された。
また「普通」表示は、その後「各停」に変更されている。







参考:【原型運転台】

地下鉄博物館でシミュレータに供されている8000系の運転台は開業時を模擬したもので、現在では貴重な原型スタイルの運転台になっている。

表示灯が「CS-ATC」となっている点、速度計がATC6現示に東急ATSの照査速度が記載されたものとなっている点、種別表示が「普通」のみとなっている点など現在と異なっていることが判る。

(地下鉄博物館−2008.10)