55 床下まわり


 

【1】未更新車の床下 

 

CT1〜CT2

 

 

【2】B修車の床下 

 

CT1,CT2
M1
T3,M2
Tc1,T2

 

 

・台車 
SS-101
在来車用。
わが国初のボルスタレス台車で、構造の簡素化や保守軽減が図られている。
先頭車用のみ排障器が付く。

(8506−2021.08)
SS035A
6次車用。
架空線用の0系と同一設計で、当時の営団の標準台車となっている。
性能、保守性が向上し、重量も従来車用より450kg程度軽量化されている。

(8606−2021.08)
 
・ジャンパ線(低圧用)
低圧用ジャンパは@側に取り付けられている。
栓受は角形2連、ケーブルはそれぞれ2本の計4本。
従来車の端部ツナギ箱は、車体裾に入り込むような斜めの形状をしている。

(8818-8718間−2021.08)
従来車と6次車の連結面。
ジャンパ線の基本的な構造に違いはないようであるが、6次車はツナギ箱の形状がやや角形になっており、これはベースとなっている0系と同一の形状をしている。

(8801-8701間−2021.08)
 
・ジャンパ線(高圧用)
高圧用ジャンパ線はA側に取り付けられており、殆どの車両間は大小の6本が引かれている。
外板側から太径1本、中径3本、小径2本の順で、うち小径2本は車両間の接地線と思われる。

また栓受けは、車両により機器箱状になっている場合(左)と、栓受けのみとなっている場合(右)がある。

画像の第5〜6車両間は車両分割を想定した箇所の為、空気配管は密着連結器内に組み込まれておりホースの類はないが、半永久連結器を使用している箇所ではジャンパ線群の内側に更に空気ホースが接続されている。

(8506-8606間−2021.08)
第4-5車両間、および第8-9車両間のジャンパ線は、隣り合う車両でユニットを組んでいるためか他車よりもケーブル本数が多い。

外板側から中径2本、太径細径のペアが2組、細径3本の順で引かれている。

この車両は半永久連結器により連結されている為、ジャンパ線群の内部にMR用と思われる太い空気ホースが接続されている。

(8818-8918間−2021.09)

 

・次車による床下機器の差異

B修前や新ATC化前には、1,2次車のみATC用の電源となるインバータ箱が取り付けられていた事や、次車の機器形状違いなどがあったが、B修後について6次車を除いた基本的な機器配置はほぼ統一されている。

ただし、一部には以下のような機器の形状や配置の違いが見られる。

各先頭車に設置されている戸閉接触器。

1次車の形状。

(8102−2021.10)

2次車以降は戸閉接触器が大型になっている。

画像は3次車。

(8112−2021.10)

各車に取り付けられている暖房接触器の形状。

3次車までの形状。

(8112−2021.09)

4次車以降は小型化され、名称が「ファン暖房接触器」になっている。

画像は4次車。

(8116−2021.09)

3次車のみ、第7車両の@側に高圧補助開閉器が取り付けられている。

3次車では10両編成を製造するにあたって当初T車にもパンタグラフを搭載する設計としていたが、その件と関係するものかどうかは不明。

また、同じ3次車でも8715,8717の2両には取り付けられていない。


(8713−2021.09)


・未更新車のチョッパ制御器
チョッパ制御器には日立製作所・三菱電機の2社のものがあった。
日立製作所製はサイリスタ箱の上半分が平面状、下部がメッシュ状になっており、中央の社紋下に大きな「チョッパ」の表示がある。

日立CH-MR-129(8411−2009.02)

三菱電機製はサイリスタ箱のほぼ全面がメッシュ状になっており、中央の社紋下に小さめの「チョッパ」の表示がある。

三菱THB-1L-4(8810−2008.11)

三菱製の中には「チョッパ」の表示がない編成も存在した。

なお、8000系のチョッパ制御装置は
左右のサイリスタ箱と中央のゲート制御箱の3箱から構成されているが、これらは従来の6000系のようなメーカ毎1箱構成と異なり、メーカー間での互換を持てるように設計されている。

これは試験で意図的なメーカー混用を行い、使用に問題がなかったことが確認されている。

(8205−2008.10)

制御器の「チョッパ」の表示は、路線のラインカラーであるパープルに塗装されていたが、8215号車には有楽町線7000系用と思われるイエローに塗装されたものが取り付けられていた。

何らかの理由により発生品が同車へ転用されたのではないかと推測される。

(8215−2008.11)


・誘導障害による遮へい

東武鉄道乗り入れ改造が行われた際、同線内における誘導障害対策と考えられるが、M車の一部床下機器に遮蔽用と思われるカバーが取り付けらるようになった。

(8202−2003.03)

M1車の床下に新しいカバーが取り付けられていることがわかる。

(第01編成−2003.03)


・正面機器の変化

(1)東武鉄道乗り入れ改造前

(8012−2002.10)


(2)東武鉄道乗り入れ改造後

東武ATS用の車上子と、空気配管の増設を確認できる。

(8013−2002.10)


(3)B修後

大きな変化はないように見える。


(8009−2021.03)


東武鉄道乗り入れ改造時に増設された空気配管は非常時のブレーキ読み替え用のBP管であると推測されるが、乗り入れ改造当初は設置されていなかった。

途中の改造編成から設置されるようになり、乗り入れ開始されるまでに全編成に整備されたようである。

(左-未設置:8006/右-設置済:8010−2002.12)