車内表示器のすべて


 

同じように見えていろいろ違う

形式ごとのまとめ

 

01系

 

量産車

01系はマップ式の表示器で、全てのドアに設置。左右に次駅のドア開方向を示す開扉予告灯が設けられている。
当初この予告灯は側面まで回り込む波打ちのランプ状であったが、溜池山王開業時に表示器を交換した際、画像のような文字による表示に変更された。

画像は東京メトロ移行に併せて駅ナンバリングが導入され、駅名部分にナンバリングの入ったステッカーが貼り付けられた最終の形態である。

 

 

ナンバリングのステッカーが貼られる前は駅名のみを表示していた。




量産車の表示器は動作する状態で地下鉄博物館に展示されている。


試作車

試作車では当初デザインの異なる3パターンが設置されていた。これらは溜池山王開業時に量産タイプに交換されたが、いずれのものも量産タイプとはデザインが異なっている。

 

試作車の表示器は量産タイプに比べかなり小さなものであった。

 

 

02系

 

本線車

02系は元々全てのドアにマップ式のものが設置されていた。当初、デザインは開扉予告灯を含めて01系初期のものを踏襲したスタイルで、02系独自の機能として、当該ドアの開く駅のランプが点灯するようになっていた。

その後2次車で仕様を変更し、ランプは自列車の行先を示すものに改められ、同時に開扉予告灯も文字による表示とされた。1次車においても西新宿駅開業時に表示器を同じものに交換して仕様が揃えられた。

画像は東京メトロ移行に合わせ、銀座線同様駅ナンバリングのステッカーが貼り付けられた際のものである。


 

ナンバリングのステッカーが貼られる前は駅名のみを表示していた。

 

その後2005年頃より車内表示器の改修が実施され、表示板そのものが駅ナンバリング入りのものに交換された。従来に比べると路線ラインの赤みがやや鮮やかになっており、これが最終の形態となった。

なお、2017年に分岐線区間の駅ナンバリングが変更されたため、下の画像のように一部にステッカーを貼り付けて対応している。

 

上記の表示器改修に合わせて半数の表示器はフリーパターンのタイプに変更となり、02系本線車はこの時に初めてフリーパターンの表示器が搭載された。

構成としては1,4,5ドアをマップ式、2,3,6ドアをフリーパターンとした千鳥配置となった。

フリーパターンの表示部は16*176ドットで全角11文字分を表示。スピーカ穴は右側のみでスリットは右下から左上になっている。表示器も角のRが取られ全体的に丸みを帯びた形状となっている。

 

分岐線車

02系80番台には当初ドアチャイム用のスピーカがあるのみで、案内用の表示装置は取り付けられていなかったが、分岐線のワンマン化に伴い、本線よりも早い2003年頃、全てのドアにフリーパターンの表示器が取り付けられた。

16*176ドット全角11文字分を表示、本線車のものとよく似ているが、ざらつきがなく光沢のある仕上げとなっている。
スピーカ穴は左右にあり、スリットはどちらも右下から左上となっている。

この車両に限らず、スピーカのスリットは殆どの形式で左右2箇所に設けられているが、これはおそらくデザイン上のものであり、音声は基本的に片側からしか鳴動していないようである。

 

 

03系

 

■1,2次車


<< vertah様より画像をお借りしています>>

営団車両におけるフリーパターンの車内表示器は03系で初めて搭載された。特に1,2次車のものはその元祖と呼べ、初期のデザインとして特徴的な形状をしている。

目立つものとしてはLEDが角型となっている点、表示部の四隅はRが取られておらず直角である点、スピーカー穴が丸穴による十字状となっている点である。
表示器はすべてのドアに設置されていたが、03系は他の車両よりドア幅が広い(1400mm)ため、他路線の形式よりも表示部を含めて横幅が広く取られた16*208ドット全角13文字分を表示できるものが採用されている。

 

■3次車以降の3ドア車

3次車からはLEDが丸型となり、表示部の四隅にRが付いた。スピーカー穴もスリットとなり、全体的な形状はほぼ確立された。スリットは左右対称の形状になっている。
このタイプも1,2次車同様、1400mmのドア幅に合わせて表示部を含めた横幅が広いものが採用されている。


■5ドア車

5ドア車は3ドア車と異なりドア幅が通常幅(1300mm)となっている為、表示器も同じ意匠ながらドア幅に合わせて横幅を狭くしたものになっており、1,3,5位ドア(1,2,5,6,9,10)に設置されている。
表示部についても16*176ドットに変更され、全角文字数でいえば11文字分。3ドア車より2文字分少なくなっている。
これは他路線の20m級車両に設置されているものと同寸法と考えられる。

 

5ドア車の2,4位ドア(3,4,7,8)上には車内表示器はないが、代わりにフリーパターン表示器に似せてある締切表示灯が取り付けられている。
全扉開閉しない区間では画像のように点灯する。

 

 ■更新車

VVVF更新した車両は同時に車内表示器も更新されており、オリジナルのタイプが取り付けられた。

形状は従来とほぼ同じであるが、表示器は02系分岐線車のような光沢のある仕上げとなっているほか、1400mmのドア幅に合わせた横幅の広いタイプでありながら、表示文字数は16*176ドット全角11文字分表示のものとなっている。

また、スピーカ穴は従来のタイプは僅かに外側に寄って開けられていたが、更新車タイプはこれがほぼ中央にあり、スリットも従来と異なり左右とも左下から右上になっている。

-長野電鉄譲渡後 (3000系)



05系

 

1,2次車

05系1,2次車の表示器は03系1,2次車と製造時期が近かったこともあってか、LED形状やスピーカ穴に同車と通ずる部分が見られる。

全てのドアに設置されているが、ドア幅に合わせて表示幅は16*176ドット全角11文字分を表示、盤面の四隅が丸く取られている点と、文字盤の左右が僅かに広く、黒いスペーサ状の部分が入っている点が03系のそれとは異なっており、05系初期車の特徴的な部分であるといえる。

 

3〜7次車

3次車以降は03系5ドア車のものと殆ど変らないデザインになっており。スピーカ穴のスリットも左右対称の形状となっている。
画像は新05系7次車のもので、ワイドドア車を含めて7次車までがこのタイプである。

 


<< vertah様より画像をお借りしています>>

1800mm幅のワイドドア車での設置状況。

 

8〜11次車

N05系の8次車からは座席が片持ち化された関係で鴨居内に点検蓋が設置されており、表示器はそれを避けるようにして右側のスピーカ部分がカットされたような形状となっている。
スピーカ穴のスリットは右下から左上で7次車までの左部分と同一。この形状の表示器は11次車まで採用された。

 

12次車

12次車の形状は11次車までと変わらないが仕上げが変わっており、ざらつきがなく光沢のあるものに変更された。

 

13次車

13次車では鴨居内に組み込まれる形となった。12次車までは全ドアに設置されていたが13次車は千鳥配置となっており、1両に対し4か所交互に設置されている。
車内表示器の付かない対面の鴨居には開扉予告表示器が取り付けられている。



対面に取り付けられている開扉予告表示器。到着前表示に合わせて開扉方向の表示が点灯する。(東葉高速2000系)


 

6000系
7000系
8000系

 

6000系7次車
8000系5次車

6000系の7次車、8000系の5次車はほぼ同時期の製造とあってか仕様は殆ど同じとなっており、03系5ドア車、05系3〜7次車のものとほぼ同じデザインのものが採用されている。

表示部は16*176ドットで全角11文字分を表示、スピーカ穴はスリットで左右対称。全てのドアに設置となっている。

 

7000系6次車

7000系の6次車は上記車両とほぼ同時期ながら、表示器の形状は若干異なっている。

表示文字、スピーカ穴、スリット形状などは6000・8000系と同じだが、表示部の左右が僅かに広くなっており、05系1,2次車のようなスペーサ状部分がある。

 

その一方で、6000・8000系と同形状のものが設置されている車両も存在した。

これは新製時からのものか、他の車両から流用交換された為によるものかは不明である。

 

6000系,7000系更新車

6000,7000系の更新車は共に同じデザインのものが使用されている。

表示部は16*176ドット、全角11文字分で基本的な形状は他形式のものと同じであるが、スピーカ穴のスリットが左右とも右下から左上の非対称となっている点、スピーカ穴が新製設置車と違い表示部に寄っている点が特徴である。

更新車の表示器はその殆どが千鳥配置で、対面の鴨居はスピーカのみの交互配置となるが、7000系チョッパ更新車の一部には全てのドアに設置されている編成も存在したようである。

 

8000系更新車

8000系の更新車も基本的な形状は6000,7000系の更新車と同一である。仕上げが異なっており、内板のイメージに併せて色と仕上げを08系に揃えられている点が特徴。

6000系・7000系更新車同様に千鳥配置で、対面の鴨居はスピーカのみとなっている。

 

7000系副都心線改造車

7000系の副都心線改造車

32*384ドットの細かいLEDにより上下二段の表示が可能。それぞれ全角12文字分が表示でき、後述の08系の表示器と構成が似ている。

スピーカのスリットは左右非対称でどちらも左下から右上。表示部に極端に寄せられている点が特徴である。
千鳥配置で対面の鴨居にはスピーカが付く点は6000〜8000系更新車と変わらない。

 

 

9000系



南北線は従来とは異なる思想の路線ということもあり、新製時から緻密な表示が可能な特別な表示器が採用されている。
表示部は32*448ドット、上下二段でそれぞれ全角14文字分を表示できるほか、画像のように二段を個別に表示させることも、二段分を使用して大文字表示を行うことも当初から可能である。
FRP製の鴨居と一体になった独特の構造であるが、左右に開けられたスピーカ穴のスリットなど、意匠に他形式のものと通じている部分も見られる。

 

 

南北線開業時の頃の9000系同表示器。

 


07(06)系

他形式の表示器と構成は同じながらデザインが大きくアレンジされており、丸みを帯び左右に後退角のついた形状、スピーカスリットが四角状にデザインされている点が目立つ特徴となっている。

スリットは左右対称で、それ以外の全体的な構成は従来品と同様。全てのドアに設置されており、画像は東西線転属後の07系のものであるが、千代田線の06系も同じデザインである。

 

 

08系

<< vertah様より画像をお借りしています>>

非ワンマン路線で唯一2段表示可能なタイプが採用されている。

全てのドアに設置されており、表示部は32*384ドット、上下二段それぞれ全角12文字が表示できる。
鴨居右側に点検蓋が設置されており、それに合わせて表示器は左に寄せて設置されているが、スピーカ穴を左右に有した形状の為、同じ鴨居構造の05系8次車〜12次車とは異なり表示部の中心位置がドア中心とは一致していない形になっている。

スピーカ穴のスリットは左右非対称で、この形態は営団の新製車では08系だけである。またスリット形状は左下から右上、これもまた03系のVVVF更新車が出るまでは08系が唯一のものであった。

 

 

【参考】埼玉高速2000系

表示部は32*448ドットで9000系と同一の表示部を持っている。設置は新製時より千鳥配置で、08系の表示器を鴨居全体に広げたような形状をしている。

 

 

 

 

これらの表示器は、車両の世代交代や案内機器のLCD化などにより令和2年現在その殆どが現存しておらず、同様の理由により現存しているものも近い将来消滅するものと思われる。

既に役目は終えつつあるが、0系列をはじめとした営団新車両の代表的なサービス機器として欠かすことのできなかったものであった為、記録としてここにまとめたものであります。

03系、05系、08系の画像の掲載を快諾頂いたvertah様にはこの場を借りてお礼申し上げます。

 


 

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