姫路市立美術館


作者である笠置の縁となる地、姫路市の市立美術館に像1体、それとは別に石膏モデル1体が収蔵されている。

所蔵の経緯を美術館の方に伺ったところ、1990年頃にご家族より寄贈を受けた作品群のうちの一つであったということであるが、姫路市が刊行している姫路市史によると、「1991年鋳造」の記述があり、保管されていた物が寄贈されたか、もしくは寄贈に際し新たに像を制作したのではないかと推測される。

これらの寄贈された笠置作品群は市立美術館の傍にある城内図書館内に置かれており、館内に併設された日本城郭研究センターのフロアに記念室「笠置季男ギャラリー」として整備・展示されている。当初はマーキュリー像もこの中の展示物として公開展示されていたが、現在は非公開とされている。
城郭研究センターの方に伺ったところ、美術館での展示等で持ち出された後美術館側で保管されている、とのことであったが、美術館の方は「館内での展示がない場合は城郭研究センターにある事が多い」という説明で若干の食い違いがある。

どちらも市の施設ではあるが、市立美術館の所蔵品としてリストへの掲載が確認できるため、正確なところとして現在は美術館の管理とされているものと思われる。

石膏モデルの存在を含め、マーキュリー像にまつわる資料として貴重な存在であるだけでなく、一般の目に触れられる作品が一方で美術館に収蔵されているというところも、パブリックモニュメントの側面を持つこの作品の特徴的な姿だといえる。
なお、収蔵されている像・石膏モデル共に初期制作分と考えられるが、特別な展示等がない限り一般公開が行われていないため詳細は不明。

城郭研究センターが併設されている城内図書館。

 

「笠置季男ギャラリー」として日本城郭研究センターのフロアに展示されている笠置作品。1991年に整備され、当初は右の画像中央付近にマーキュリー像が置かれていた。

 

 

設置個所:非公開

 


 

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