田原町駅芸能紋調査


【2】1984年駅改修後の芸能紋

当時設置されていた解説板

田原町駅は1984(昭和59)年に改修工事が行われ、ホームが全面的に新しくなった。
装飾については開業時の芸能紋をベースに、役者名を添えたものを新たにアルミダイキャストで制作。解説版と共にホーム壁の傾斜部(ハンチ部とほぼ同じ部分)に取り付けられた。
従来のような梁部分とは関係なく装飾パネルに合わせて一定間隔で配されるようになり、設置数も絞られて1種1枚の全35枚構成となった。

なお、開業時の芸能紋は壁の下に隠れてしまい見られなくなったが、基本的にはそのまま残された。

 

丸に細笹リンドウ 鳳凰
大割牡丹 三升の中に左
(花勝見) 五つ鐶菊
柳蛙
揚羽蝶
祇園守(1)
丸にいの字
重ね井筒
丸に四つ並び杵
中津木瓜
地紙に光琳の松
(扇子と翁の面)
三つ猿
雪月花
重ね扇に抱き柏
丸に二引
イ菱
四つ平角に筒守
(葉敷き向こう水仙)
丸に片喰
二つ松葉の丸に光琳の蔦
三つ升
大文字片喰
丸に三つ井桁
根上り橘
亀甲に一葉紅葉
(九枚笹にトモの字(?)):持主不明

この時代の紋章は全てを撮影していなかったため、撮影できていたもののみ実物の画像を掲載している。
それ以外のものについては、参考として現行の解説文に掲載されている同デザインを掲載している。

 

1984年以降の配列は以下の通り。

B線
浅草寄
A線
役者
紋章名
パネル番号
紋章名
役者
市川團十郎
21
歌舞伎座
中川中車
20
帝国劇場
市川松蔦
19
新橋演舞場
市川左團次
18
杵屋六左衛門
市川猿之助
17
(はなびょうたん)
清元延寿太夫
市川男女蔵
16
常磐津文字太夫
尾上菊五郎
15
坂東三津五郎
14
坂東秀調
13
富士松加賀太夫
澤村田之助
12
喜多村緑郎
澤村宗十郎
11
伊井蓉峰
松本幸四郎
(四つ花菱)
10
河合武雄
片岡仁左衛門
9
(花菱)
河原市松
片岡我童
(丸に銀杏鶴)
8
中村鴈治郎
実川延若
7
(祇園守(2))
中村歌右衛門
守田勘彌
6
中村芝鶴
市村羽左衛門
5
中村吉右衛門
沢村正二郎
4
中村歌門
持主不明
3
B線
渋谷寄
A線

 

当時の駅ホームの様子

 

これらの紋章は2度目の駅改修工事に伴って2016年頃から取り外され、現在では見る事ができなくなった。

 

(1)

構成はA線16枚、B線19枚の計35枚で、ほとんどが従来の紋章をベースに制作されたものであるが、色文字の4枚に関しては今回の改修工事で新たに追加された定紋であると考えられる。

 

(2)

一部役者等の名称は時代や実情に合わせてか変更された。また、定紋自体が変更されているもの(杵屋六左衛門:三つ並び杵→丸に四つ並び杵)もある。

 

(3)

従来の紋章で持主不明となっていたものも引き継がれて設置されているが、現在も詳細が不明のままである為役者名の部分は記載されていない。

 

(4) 後年B線ホームにエレベータが新設されたことにより、色背景の2枚については2014年に撤去されている。
 

 

今項目の定紋の解説や役者名についても、基本的に【1】-(4)の身元特定の際に取り付けられた解説書きに則っている。中には確証が無いと思われる記述も見られるが経緯等を踏まえそのままの内容を記載した。
解説書きに記載がないものに関しては考えられる名称を () 書きで当てはめている。

 


 

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