田原町駅芸能紋調査


【4】その他

再び壁の下に眠る事になる工事途中の芸能紋

紋章に関する余談をいくつか掲載。

・欠落している紋

既に90年以上が経過している事もあって、剥がれ落ちてしまっているものがいくつか見られる。

紋のあった部分を見ると嵌めこまれていたと思われる円形の跡と、上下左右の4点に固定の為と思われる白い跡が残っている。

・浅草駅に残る芸能紋の断片

【1】-(2)で触れたとおり、芸能紋は当初浅草駅にも設置されていたが、現在は全く残っている物が無い。

画像は辛うじて形状が確認できる唯一の紋章で、A線ホームの渋谷寄りに残っている。
紋は「九枚笹にトモの字(?)」(:持主不明の紋)と思われる。


・浅草駅の梁ハンチ部

B線ホームを撮影したものであるが、梁ハンチ部に塗装跡のようなものは残っているが装飾の痕跡は殆ど見る事ができない。

・博物館に収蔵されている紋

地下鉄博物館には何点かの芸能紋が収蔵されている。
実物ではなくレプリカとのこと。

画像は「三つ升の中に左」。

・現在のホームに設置されている解説板

解説版は1984年の改修時にも設置されていたが、2016年の改修に際して新しいものが再度制作された。

周囲に配されている紋章の数々は、1984年に制作されたダイキャスト製の芸能紋から、27枚のデザインを抜粋したものである。

この為、現在のホームにある芸能紋群は1927年開業時のものと1984年改修時のもの、双方のデザインが何らかの形で活用され完成したものである。

A線(左)とB線(上)でデザインが微妙に異なっているが、掲載されている紋章とその構成はどちらも同じである。


 

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