■シナリオの解説

11154列車

シナリオ区間 福島町→広電宮島口

休日日中の列車で、広島駅11:20発、市内からの直通列車で、現時点では市内区間の福島町からスタートします。
現在4種の基本シナリオをベースに構成していますが、音声を取材した時間帯の都合で、駅毎の停車時間にかなりのばらつきが生じてしまいました。

このシナリオは従来3950形を指定しておりましたが、2025年の更新から3700形の運転に対応しました。


3950形

3700形

 


10756列車

シナリオ区間 広電西広島→広電宮島口

平日朝のダイヤで、西広島始発の線内完結の列車です。どっこい生きている3100形が運用に就く機会がありました。

3100形

この列車では、新学期が始まった4月、および冬休み期間中の1月に音声取材を行っており、その際の音声をベースに各駅の停車時間を設定した2つのシナリオから構成されています。

この為、一方は各駅の停車時間が長く、もう一方は短く、それに伴い乗車率も変えてあり、指定車両としている3100形の加速や操作感に影響するようになっています。

 

■西広島駅の信号

市内線と鉄道線は西広島駅を境に分かれています。
元々は市内線が己斐、鉄道線が西広島と同じ場所にある別の駅になっていたようですが、現在は統合されています。

鉄軌分界点

鉄道と軌道の分界点は西広島駅の東高須寄りにある事と、運用上の関係もあって鉄道線への出発信号機は軌道タイプのものになっています。

西広島の出発信号機とその先の閉塞信号機

 

■路線データについて

宮島線の路線データは2008年から取材を開始しました。
イベントでたまたまドルトムント市電へ乗車した事が路線取材のきっかけでしたが、その後2000形や3100形など特徴的な車両にも乗車の機会があり、都度時間を見つけて沿線を歩いていきました。

西広島のスタートから5年後の2013年には宮島口まで到達し、宮島線の全線取材が終了。
追って2017年からは市内線の線形調査にシフトし、ひとまず線形だけは当面の目標であった広島駅〜宮島口まで完成した事になっています。

取材が長期間にわたっているため、その間名称が2回も変わってしまった駅があったり、踏切や設備が更新された箇所などがありますが、概ね2008〜2013年頃をモデルとして作成しています。
また、その間Bveのバージョンにも変化があり、当初Bve4用としていたデータは2014年からBve5準拠で作り直しを行い、現在の形となりました。

作成当時のBve4版現行のBve5版

そんなこんなで取材を始めてからすでに15年以上が経過し、始発となる広島駅も変わろうとしているなか、市内はいまだひとつも手を付けられていません。
もはや様々な箇所が過去の風景となる状況ですが、しぶとく全線が運転できるように頑張っています…!

 

■3950形について

3950形の取材を始めたのは2005年で、実は路線よりも先です。

当時3950形の運用は市内線で、宮島線に入る事は殆どありませんでしたが、その特徴的なデザインと音に惹かれ取材を始めました。
広島電鉄の各データ、全てはこの3950形の走行を再現したくてスタートしたものなのです。(ホントかよ?)

その為、当初は路線データも市内線の作成を想定していたのですが、その後実車が宮島線へ転属して現在のシナリオ展開となりました。

当初は音も自分で組むつもりでしたが、デザインと音を気に入ってくれそうな作者さんがいたのを良いことに話を持ちかけ制作して頂きました。
感動の東洋GTOサウンドです。

市内線の頃

運転台(これも市内時代

3950形は3900形のマイナーチェンジ車という位置づけですが、運転台のレイアウト等々微妙な違いがあります。
電笛も3950形にしか付いていません。

現在も宮島線での活躍が続いていますが、同時期の車両では制御装置の更新も始まっており、特徴的な走行音もいずれは宮島線から姿を消してしまうのかもしれません。

 

■3100形について
3連接改造車の3100形。当初は素性が謎すぎてデータ化は諦めていましたが、前身となる2500形の資料が偶然見つかった事もあり、追加シナリオ用の車両データとして形になりました。

2500形車両資料(国立公文書館所蔵)

3100形といえばブレーキハンドルの操作により電制(電気ブレーキ)が作用する点が特徴でありますが、これはブレーキハンドル90度角のセルフラップ帯にある4段の接点刻みによって、段階的に電制を作用させる構造になっています。

元々は締切電磁弁による電空協調があったようですが、現在に至るどこかの段階で協調機能を無くしたものと考えており、この為制動時はハンドル角度に応じた空制に加え、刻み段数による電制が作用(ただし3,4段の電制は同一)し、強力な制動力が得られるようになっている、というのがデータ作者の見解です。

それゆえ通常は電制1,2段を使用し、電制3,4段に相当する角度付近のハンドル位置を使用する場面は珍しいシーンではないかと想像しています。実際のところの頻度は分かりません。

ブレーキ帯には4段の刻み、実際に操作時に刻みの感覚もある。

実車のブレーキ操作を見てみますと一般的なブレーキ操作とは少し異なり、ハンドルを左右に細かく振っているのが特徴的です。

 

この広電独自ともいえる操作ですが、ハンドル段によって制御器の進段に差がある為、電制と空制のバランスを保つために行っているのではないかと思われます。

また、同様のブレーキ機構であった2000形では一度に強いブレーキ段へ入れるとが電制が飛んだ(過電流?)という話もあったようで、そういったエピソードもまた、徐々にブレーキを強くしていくこの“じゅんぐり進段”のブレーキ操作が生まれた背景にあるのではないかと考えられます。

乗務員さんごと様々なブレーキ捌きが見られるのもまた3100形の魅力と言えると思います。

2000形

これらの操作を再現するにあたり、本来であれば電制の効き具合を体感できる事が望ましいのですが、検討の末に前面窓の左わきに電流計を設置して制御器の進段状況が分かるようにしました。

 

*3100形の性能・挙動・操作は実車の車両資料をもとにした、作者メンバー(早く公開したい協議会)としての見解です。

あくまで資料と現車から推測した上での再現であり、また、時期により明らかに性能が異なっていた事も確認しており、必ずしも実車の挙動と完全一致しているとは限りません。
ただ
し、再現には様々な角度から時間をかけて検証を行っており、2017〜2018年頃を基本とした状態で実車に近い状態を再現したと考えています。

 

■3700形について
軽快電車の走りである3500形をベースとしたいわば量産的車両ですが、先だって製造された市内線の新車の影響を受けてか、3500の影をチラつかせつつも慎重に時間をかけ製作されました。

そのため3950形まで続く連接車の系譜にいながらVVVFの道を進んだ後輩とも、意欲的な兄のチョッパとも異なり堅実的な抵抗制御を採用。
増備途中に3800形と肩を並べられてしまうほど慎重に育てられた内気なシティボーイ、それが3700形です。

公式ホームページの解説では「3701号は広電の電車としてはじめてフルラッピングが施されました。」と、この車だけ車両に直接関連のない解説がついており(?)、らいなーシリーズの中ではどこか不思議な立ち位置を感じさせます。

その一方でグイグイと加速していく姿や上品なモーター音は、東洋GTOの後輩とはまた違った趣があり、多彩な広電の車両群の中でまた面白みを感じさせる車両のひとつです。
当時の路面電車の状況からも大きな意義を持った車両ともいえます。

運転できる車両を追加したく、3700形の制作は後から決まりました。音も運転台も再現が難しく、なかなか完成ということにならないまま時間が過ぎておりましたが、またひとつ運転できる車両を増やして頂けたわけです。

3500の後に3600形を飛ばし3700としたのは、700形ベースということで数字を引っ張ってきたのでしょうか?そういうのもまた謎です。

 

■ここだけの話

 

低床車のなかでは5000形が好きです。

データが公開されていないか時々検索しています。どなたかよろしくお願いします

 

あと、2000形の「PASPYはご利用できません」という放送も一応ストックしてあります。

(今となってはPASPYのサービスそのものが終了に…)

 

実物の西広島ではメロディはなく放送のみです。現時点ではデータの起点に設定しているため、シナリオ展開上の意識付けとして鳴らしています。

 

 

■本データの作成にあたり

 

☆ご協力いただいた作者メンバー☆

早く公開したい協議会

・しゃろーさま・・・車両データ生みの親。音・性能・Y-NGI制作関係。
・cofee&sleepさま・・・挙動模擬プラグインの制作・車両関係ご助言。
・車警定位さま・・・車両取材の要。挙動調/精査・Cone・おたまや。

special thanks

すかじゅんさま・・・将来展望のお約束ほか

 

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★参考にさせていただいた書籍・動画★

広島電鉄開業80創立50年史 広島電鉄 著

広電宮島線 もっと魅力発見! 中田裕一 著/ 図書出版 南々社

広電宮島線の踏切 (YouTube動画)

 

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